重力波とは

時間と空間の4つの自由度を合わせて時空(じくう)と呼びます。光の速さを一定として考えると、空間が縮むということは、時間が遅く進むということになります。右図を見てください。ブラックホールの近くにいるBさんは、遠くにいるAさんより時間の進み方が遅くなります。
このブラックホールが揺れると、周りの時空の歪みが揺れ、波として伝わっていきます。これが重力波です。揺れが大きくなるのは、たとえば2つのブラックホールが互いの周りを公転しているような状態で、これをブラックホール連星と呼びます。人類が最初に観測した重力波は太陽の30倍程度の重さを持つブラックホールの連星でした。

重力波が観測者までやってくると、物と物の距離を少しだけ変えます。どれだけ変わるかは物と物の距離に比例します。最初の観測例だと、4kmの距離を4ナノメートルの1億分の1だけ変化させました。とても小さいですね。
ちなみに、この変化は定規では測れません。定規の長さも重力波で変わってしまうからです。測る方法は2つあります。1つめは重力波の周波数で共鳴するものを定規で測るというもの。これならば定規の変化と共鳴物体の変化が異なるので測れます。2つめは光を使って測るというもの。測定物体は地面から離しておいて、とても硬い定規である光でその距離を測ればよいというわけです。
重力波の観測原理は以上ですが、どのような信号が得られるかは、天体の内部構造や未解明の物理によります。ブラックホールや中性子星の観測例を積み重ねることで、新しい物理が分かってくるようになるでしょう。