kHz重力波ワークショップ

4/23-24の2日間、東大本郷で重力波のワークショップが開催され、オーストラリアからも2人の先生を招聘して講演をしてもらいました。米国のLIGOと欧州のVirgoという2つの望遠鏡が第4次観測の第2フェーズまで完了したところですが、最近の話題は中性子星連星合体の観測頻度が下がってきていることです。2017年と2019年に観測されて以来、もう5年以上も観測されていません(ブラックホールと中性子星の連星は見つかっています)。会議では、重力波の観測アラートを元に追尾観測をする光学望遠鏡の方々も講演し、マルチメッセンジャー天文学の課題や成果を聞くことができました。

Food Co-op

ANUのすぐ近くにフードコープというお店があります。オーガニック食品を扱っていてレストランも併設されているのですが、システムがユニークです。

普通に買い物することもできますが、25ドル払って会員になると、5%オフになります。さらにボランティアでN時間働くと、そこからN×2週間は20%オフになり、働いた日のランチが提供され、たまにパンとかももらえます。ランチは普通に食べると10ドルくらいするし、パンも15ドルくらいの大きなやつがもらえたりするので、それだけでも結構お得な感じがします。給料が出るわけではないので、就労ビザは必要ないし、よくできたシステムだなと思います。ランチ担当はプロのシェフ1名とボランティア2名で構成され、先着順でボランティアが決定します。障碍者の人もサポーターと一緒に参加したりします。https://cbrfoodcoop.org.au/index.php/become-a-member/

もともと日本の生協もこういうコンセプトなんでしょうが、けっこう違いますね。
※写真はGoogleから引用。

海へ

シドニーやメルボルンなどオーストラリアの大都市は海沿いにありますが、キャンベラだけは内陸にあります。それでも、車で2時間半ほど移動すると、写真のようなきれいなビーチが見えてきます。ここはオーストラリアでも有数の白い砂浜として知られるジャービスベイの中でも1番人気のヘイムスビーチです。
ビーチに着くまでの道は田舎道で、シドニーに3時間かけて行く方が運転的には楽なようです。1時間に1か所くらい休憩所があり、公園とトイレがついていて、近くに売店もありました。キャンベラ中心部から30分もすると牧場が広がり、たまにカンガルーも見かけます。今回は、幸運なことに、ウォンバットにも遭遇しました。ものすごくゆっくり道路を横断していました。

夏シーズンの終わり

近所で少年野球をやっていて、私もよく見に行きます。日本だと春と秋に試合、夏は合宿、冬は筋トレ、という感じですが、こちらはシーズンが半年で終わってしまいます。多くのスポーツが夏と冬に分かれていて、野球やクリケットは夏のスポーツです。サッカーやバスケは冬のスポーツで、テニスは通年だそうです。多くの子供たちが2,3種目のスポーツを掛け持ちしています。ちなみに、会費はエインズリーの野球チームだと220ドルです。https://ainsliegungahlinbearsbaseball.com/registration/

気球

今週は毎日7:30AMに気球あがってます。青くて広い空です。

でもお値段も高いらしいです。一人4万円とか。

ANUの池田先生

日本人の留学生がANUに行くと必ずお世話になる人、それがShun Ikeda先生です。ANUを最初に卒業した日本人らしく、もう40年近くこちらに住んでいます。私も知人のツテで紹介してもらい、今日は池田先生主催のBBQに参加してきました。横国大やお茶大など日本の国立大学から多くの留学生が来ていましたが、私が所属する科学大(or 東工大)は協定が結ばれていないということでした。歴史的経緯で一橋大や外語大は入っているけど、単科大だとどうしても交換留学のバランスがとれないという理由で東工大は入っていなかったとのことでした。科学大になって変わるかもしれないですね。

池田先生の頼られ方はすごいです。例えば、司法系の仕事をされている方が毎年入れ替わりで留学するらしいのですが、前任者の家具はいったん池田家に保管されて、次の人が来たらまた使う、という制度だし、他にも欲しいものがあれば相談すると貸してくれる、ということになっていて、コーヒーメーカーだとかピアノだとかいろいろ貸し出されています。また、宿がないという若者が何人かいて、彼らは池田家に居候しています。この日も、午後はBBQで、夜は居候している人の送別会とのことでした。

ANUに行って、何か困ったことがあったら、池田先生を探しましょう。

ビザ

研究者がオーストラリアに長期滞在する場合に必要となるビザはTemporary Activity Visa(408ビザ)というものです。半年滞在した学生も同じビザで2週間で届いたのですが、私の場合は1年半のビザにしたからか、3か月半かかりました。どんな感じだったかレポートします。

まず、パスポートを更新しました。これをしないと始まりません。そしてANUからレターをもらいます。これはすぐに対応してくれました。健康保険に入ります。Allianzというところにしました。月額4-5万円払います。自分の分だけなら大学が出してくれるようです。運転免許証、銀行残高証明、雇用証明書、履歴書、住民票を用意します。日本語のものは有料の翻訳サービスに依頼しました。NAATIというオーストラリアの公式の翻訳免許をもった人に頼むと値段が倍増しますが、普通の翻訳でよいようです。住民票の翻訳で3000円くらいです。ちなみに渡航後に運転免許の書き換えをする場合はNAATIの翻訳が必要ですが、日本大使館でやってくれます。2000円くらいです。もうひとつ用意しないといけなかったのが、犯罪履歴証明書です。警視庁に2回行かないといけません。最初から必要なものを全てリストしておくべきなのですが、私のように五月雨式にやると、パスポートを待って、来て次に犯罪履歴書を待って、また待って、とずるずる遅れていきます。10月初旬からとりかかり、ビザ申請まで行けたのは11月1日でした。

オーストラリアのビザの申請は完全オンラインです。パスポートを提出に行く必要もなく、ビザの紙を貼られることもありません。取得するとパスポート情報とリンクするようです。ImmiAccountというページで、申請完了という画面が出て、一般情報としておよその待ち時間を知ることができます。「50%の申請者は2か月以内に取得、90%の申請者は3か月以内に取得」と表示されました。そこから2か月経っても音沙汰がありません。ImmiAccountを再び確認すると、「50%の申請者は3か月以内に取得、90%の申請者は4か月以内に取得」と表示が変更になっていました。時間と共に待ち時間の見積もりが変わるんだったら全く意味がないではないかと思いました。1月23日に出発するつもりで航空券やらゲストハウスやらを手配済みだったので、1月半ばにいよいよ心配になりオーストラリアの移民局に国際電話しました。

国際電話はなかなかつながりませんでした。35分待たされました。いくらかかったのでしょう。どこかでボタンを押し間違えたみたいで、日本語の通訳がつく設定になってしまいました。英語でいいですと言おうとしたのですが、そうするとまた最初からやり直しになりそうだったので、通訳さんをつけて係の人と会話しました。係の人が私の申請を確認し、「1月23日から3か月以内には絶対に発行されるから、観光ビザで入国してください」と言われました。先述のように全てデジタルなので、入国している間にビザのステータスが変わるというわけです。これを聞いて一安心し、予定通り1月23日に渡航しました。最終的にビザが発行されたのは2月17日でした。

(宗宮)

日本語ページ

ASPIRE-GWのホームページは英語で書かれたものだけでしたが(こちら)、日本の方々向けに日本語ページを用意することにしました。2月分までは同じ内容の和訳版ですが、3月以降は日本の方々向けに、もう少し緩めの記事も掲載していきたいと思います。

カールがKAGRAにやってきた

UWAのカールブレア博士がKAGRAにやってきました。LIGOの現役バリバリのコミッショナー(望遠鏡を調整して感度を向上する専門家)です。日豪共同研究でこういう機会が増えるかもですね。

キロヘルツ重力波ワークショップのご案内

4/23-24に東大本郷で”From Quarks to Neutron Stars: Insights from kHz gravitational waves”という名前のワークショップが開催されます。OzGravチームからPaul LaskyとLilli Sunを招待して講演してもらいます。
https://indico2.riken.jp/event/5141/
同じくASPIREプロジェクトに採択されている、理研の初田先生のグループとの共催です。興味のある方はぜひ参加登録を!