量子テレポーテーション

ここでは分かりやすく時計で例えます。量子状態は「何時か分からない」状態ですが、測定することで「3時」とか「6時」のように固定された古典的状態になります。量子状態のひとつにEPRペアというものがあり、これは「何時か分からないまま3時間違う」量子状態のペアのことです。

量子テレポーテーションというのは「何時か分からない」状態を保ったまま違う場所にいる時計に時刻を移す技術です。その際に最初の量子状態は破壊されてしまうことが知られていて、クローン禁止定理と呼ばれています。

では実際の例を見てみましょう。右図でコピー元の状態S、EPRペアであるA,Bの3つは全て量子状態で「何時か分からない」のですが、それぞれもし測ったら2時、3時、6時だと仮定します(AとBは3時間差です)。量子テレポーテーションは3段階に分かれています。第1段階でアリスがAとSの差を測ります。ここで「SがAより1時間早い」ことが分かります。第2段階はアリスからボブへその情報を連絡する段階です。第3段階ではボブがBを4時間早めます。この4時間はAとBの3時間差とSとAの1時間差です。これによりBは6時から2時になり、Sと一致します。アリスもボブもS,A,Bのどの時刻も知らないままSの時刻をBに移すことに成功しました。

ASPIREで開発を進める重力波望遠鏡用の量子テレポーテーション技術は、もう少し複雑ですが原理は一緒です。